歴史能力検定日本史2級(for 通訳案内士)

通訳案内士を目指すにあたり、自身にとっての最高の障壁が歴史をどうするかということでした。歴史は中学校以来まったくやっておらず(理系だったので、本当の意味で未習)、何年か前から通訳案内士頑張りたいなぁと思って、いろいろな勉強法を見てもなかなかうまくいきませんでしたが、今回一念発起をして勉強し、歴史検定の2級を攻略(自己採点では大丈夫そう)した経験を踏まえて、「最低レベルの奴が、これだけの事をやれば突破できたやり方」を紹介したいと思います。

 

端的に言えば、「一通りの歴史を頭に入れた後、過去問を含めた選択問題を解きまくり、間違えたのをさらに覚えていく」ということです。

 

具体的には、今回、勉強は6月くらいから始めました。知識は本当に本当の意味で0かつ歴史は苦手意識プラス嫌い意識があるというところからでした。ちなみに大人の力を使って参考書は(中古で)大分購入しました。ので、その辺りの事も参考にしていただけると思います。

で、勉強法的な話に入る前に、先にあまり情報がない「歴史検定日本史2級」のレベルについての私的な考察を述べたいと思うのですが、こちらについては、問題練習として、「公式過去問5年分(2017~2021)」、センター試験の赤本15回分、レベル別問題集、明治の日本史、早稲田の日本史etcを見てみました(=理解した、覚えたという訳でない・・)。その上で思ったレベルは

 

センター試験日東駒専 < 日本史2級 < MARCH << 早稲田・慶応

 

と言う感じです。

いや、日東駒専以上でMARCH以下ってどういうことやねん?と思う方もいると思いますが、これは、知識としてはMARCHまで細かいものはいらないけれど、問題の巧妙さ、各知識に対する正確さがMARCH並みに求められている気がしました。それを基に話を進めていきたいと思います。

 

0.前提:まずは何はともあれ、高校レベルの日本史を1から最後まで何かの形で通しましょう(全体像の雰囲気がつかめればOK)。スタサプがおススメ。

1.問題演習の段階までの勉強→そちらは後に別記事にします。

2.問題演習について

問題演習に関しては、特に日本史で試験を受けたことない人は多くの回数をこなしておいた方がいいと思います。そして、検定は9割選択問題なので、選択問題を解く、逆に言えば記述にあまり時間を割きすぎず効率を上げる、ということです。・・・といいつつ、その問題集の選び方が悩みどころだと思うので、それについて話していきたいと思います。

 

まず、公式の過去問ですが、もちろんできるならやっておいた方が好ましいです。ただ、この公式問題集が悩みどころで、1冊につき1年分しか収録されておらず、前年度以前は非常に高値がついており(色々と探したり、同じサイトでも日々チェックしているとたまに定価位の値段がつくことがあるので、その瞬間を狙っているとそれなりに揃えることも可能ですが)、なかなか多くの過去問を解くのは難しいというのが現実だと思います(ちなみに自分は2017以降と、昔の2002年版は手に入れ、他は値段に負けて購入できませんでした・・・)。その上で過去問に関しては、2002年版の古めの問題は今とは傾向がことなり、少しマニアックな話題をベースに問題が作られていたので、無理してやらなくてもいいかとは思います。

そうすると、問題演習としては、大学受験参考書となるわけですが、どれが2級の勉強にいいか、おすすめを述べていくと

センター試験の過去問


2級の問題はセンター試験と比べて明らかに難しいです。(自分がセンター7割くらいの時、2級が55%位の正答率)が、センターは問題が豊富で、また形式的に似た問題が出題されるので、歴史の試験に慣れる意味でもやっておくことをお勧めします。その上でですが、できるだけ「センター試験」の過去問を解くことをお勧めします。というのも、今の「共通試験」は趣向が変わり、考えて解く部類の問題が出題されるのですが、時間がかかる割には、思考できれば知識が無くてもどうにかなる系の問題多く、多少効率が悪いと思うので(自分は共通試験の問題は1~2回で終わりにしました)、できるならばセンター試験の過去問を中古で手に入れてやってみるのが一番効率いいと思います。

 

日本史Bレベル別問題集4・5(金谷)および全レベル問題集日本史B3(藤野)

こちらの参考書が日本史2級の問題演習として一番しっくりきました。センター過去問で平均以上が出るようになったら、ぜひこれらを解くことをお勧めします。

個人的には金谷のレベル5が知識レベルとしてはいちばんぴったりだと思うのですが、少し問題のカバー領域が足りないので、その分はレベル4,そして藤野のレベル3で補えば十分だと思います。2級は記述問題はあるものの、ほぼ選択問題なので、こちらの問題集も、余裕があったら漢字まで覚えられれば理想でしょうが、そうでなければ記述は飛ばす、ないし分かったものを平仮名で書いて知識を確認するでもいいと思うので、選択問題を中心に取り組んでみてください。

ちなみに金谷レベル6と藤野レベル4も見てみましたが、それなりに私立は選択問題が充実している物の、最上位大学は資料問題が多く出題され(これは後程でてくる早稲田の過去問集にも言えますが)明らかに負担が変わるので、ここまでは必要ないと思います。他全て覚え、漢字もまずまずの人は高地トレーニングとして行なっても悪くはありませんが。

・マーク式基礎問題集、及び文化史

2級と同じ4拓問題を探して購入した2冊。センターより難しめな問題で、4拓問題の練習を増やせる点ではいいですが、本当に4拓問題が並んでいるだけなので、流れで知識の確認をしたい人は上記の問題集を先にやるのがいいと思います。自分は先にこちらをやったので、それはそれでよかったですが、もう一度やるなら全範囲問題集をやった後の確認でやりたかったなというのが感想です。

・明治大の日本史

高地トレーニング的な感じで言えば、このレベルで十分。2級はMARCHレベルと言われていたので(全範囲問題集の事を知らなかったというのもあり)、結構選択問題を出題する大学という事で解いてみましたが、実際に難しかったです。全員の方がやる必要はないと思うのですが、2級で出て来るような、選択の文章の正誤を判定するために、文の細かい部分を考慮する必要がある問題が明治大には多数出て来るので、その練習としても(知識の構築としても)とても勉強にはなりました。ただ、余力のある人だけでいいでしょう。

 

☆多分やらなくてもいい参考書

・実力をつける日本史100題

日本史の高難易度問題集として定評があり、実際に良問ぞろいの本書ではありますが、いかんせん2級を合格ライン位で考えると、本書は記述問題が多数なため、選択問題の練習としては負担が大きすぎます。もちろん本書を仕上げれば、恐らく確実に2級を合格でき、100点近く取れ、何なら1級も手が届くレベル(?)に慣れると思いますが、自分は結局やらずじまいでした。

・攻略テーマ・文化史

こちらも上記の本と同様な理由で、文化史を集中したいにしても、オーバーワーク過ぎるかと思います。ただ、それなりに選択問題もあるので、余力があれば取り組むのも悪くはないと思います。もちろん問題集としては素晴らしいです。

・早稲田の日本史

とりあえず念のためを思って一通りはやってはみましたが・・・非常に難しかったです。そして、2級には多少難易度が高い問題がちらほらと入っているのは事実ですが、だからといって明らかにここまでは必要なかったと思います。とにかく資料問題(古典文書)問題が大半を占め、そこからしてまず大変。難問に挑戦という経験と言う意味ではいい勉強にはなりましたが、正直レベル高すぎて頭に入っておらず、2級に比べて細かすぎる出題なので、よほど日本史をここで極めておきたい人以外は手を出す必要はないでしょう。

 

☆結論

2級の問題演習としては、各人の経験によると思いますが、公式問題集できるだけ+いきなりいけるなら全範囲問題集の中位レベルの上の方、その上でそれが難しかったらセンターや全範囲問題集のもう少し易しいものに手を付けるのがいいのではないでしょうか。中古でよいなら学習参考書は非常に安価に手に入るので、そういう意味でも多くの問題に触れておくといいでしょう。